天皇陛下のお誕生日に寄せて

― 感謝と“見えないお務め”について ―

2月23日は、今上天皇であられる

徳仁天皇

のお誕生日です。

この日は「天皇誕生日」として国民の祝日に定められ、日本全体でお祝いの気持ちを持つ特別な一日となっています。

そもそも、天皇とはどのような存在なのでしょうか。

日本国憲法第1条において、天皇は

「日本国および日本国民統合の象徴」

と定められています。 

つまり天皇陛下は、政治的な権力を持って国を動かす存在ではなく、

国民の心のよりどころとして、日本という国そのものを象徴する存在

として、日々のお務めを果たしておられます。

天皇陛下の「お仕事」とは何か

天皇陛下のお務めは、大きく分けて三つあると言われています。

一つ目は、憲法に基づく国事行為です。

法律の公布や国会の召集、内閣総理大臣の任命など、

国家としての形式を整える重要な役割を担っておられます。 

二つ目は、公的なご活動。

国内外の要人との面会や、戦没者追悼式へのご出席、

そして災害時には被災地に足を運び、国民一人ひとりに寄り添われます。

そして三つ目が、あまり知られていない

宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)

と呼ばれる祈りのお務めです。

これは年間を通して数多く行われる伝統的な儀式であり、

五穀豊穣、国家安泰、国民の幸せなどを祈られる

とても大切なお務めです。 

「象徴」とは祈りの存在

戦後、日本の天皇は政治に関与しない存在となりました。

しかしその一方で、

国民の安寧や世界の平和を祈り続けるという

目には見えない役割を、今もなお担っておられます。

私たちが日々の暮らしを安心して営むことが出来る背景には、

このような長い歴史の中で受け継がれてきた

“祈り”の営みがあるのかもしれません。

天皇誕生日が祝日として定められているのも、

その象徴的な存在に対して

国民が敬意や感謝を表す機会とするためであるとされています。 

感謝というかたち

普段、私たちはなかなか

「国のために祈る」ということを意識する機会がありません。

けれども天皇誕生日という日を通して、

・平和に過ごせていること

・日々の生活が守られていること

・自然の恵みを受けて生きていること

こうした当たり前のように感じている日常に、

改めて感謝の気持ちを向けることが出来るのではないでしょうか。

私たち一人ひとりのお務め

天皇陛下が国の安寧を祈られているように、

私たち一人ひとりにもまた、

それぞれの立場で果たすべき「お務め」があります。

家庭を守ること

仕事に誠実に向き合うこと

周囲の人を思いやること

それらすべてが、

社会全体の調和へとつながっていきます。

大きなことは出来なくても、

目の前の役割を丁寧に果たしていくこと。

それこそが、

今を生きる私たちに出来る感謝の表し方なのかもしれません。

天皇陛下のお誕生日という節目に、

日々の恵みに感謝し、

自らのお務めについて静かに見つめ直す。

そんな一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

error: Content is protected !!